サムエル記第二1章 サウルの死を悼むダビデ

 「彼らは、サウルのため、その子ヨナタンのため、またの民のため、イスラエルの家のために悼み悲しんで泣き、夕方まで断食した。」サムエル記第二1:12

助産師永原のちょっと一言
サムエル記下は40年にわたるダビデのイスラエル統治について書かれています。それはサウルの死に続くダビデの即位から始まります。そしてダビデ王国が確固たる地位を築いていく中でダビデの人間模様と、ダビデと神と関係が縦糸と横糸を織り成していきます。
1章ではダビデに媚びようとしたアマレク人のことが書かれています。ダビデを殺そうとしたサウルなので当然、サウルの死の報告はダビデに喜ばれると思ったのでしょう。しかしダビデの心はこの世の価値観に支配されていませんでした。自分の命を奪おうとしたサウルをも愛する気持ちがダビデの中にはありました。ダビデへの嫉妬に苦しむサウルの気持ちが分かっていたのかもしれません。
人間の心には嫉妬という厄介な感情があります。もし自分の中に他の人に対して嫉妬の気持ちを持ってしまう心を発見したなら、比較することの愚かさを思い、自分ならではの生き方を認めるようにしたいと思います。また自分に対して嫉妬の刃を向けてくる人がいたなら、その心がどれほど辛いものかを理解し、できるだけ気持ちが穏やかになるように心を尽くしたいと思うのです。何よりも主は私と同じように嫉妬の刃を向けている人をも愛されているのですから。

聖書要約
ダビデ、サウルの死を知る
サウル王が死に、ダビデがアマレク人を討ってツィクラグに戻って3日目のことです。イスラエル軍から一人の男がやってきました。人目見て喪に服していることが分かる姿です。そしてその男はサウル王とヨナタンの最後をダビデに報告したのです。すなわち、瀕死の状態のサウルに頼まれて自分がサウルを手にかけたと言い、「王冠と腕輪を取って、ご主人様に持って参りました」とそれらを差し出したのです。それを聞いたダビデは言い尽くせないほど悲しみ、イスラエルの家を悼んで泣き、また断食しました。報告した者はアマレク人であることをダビデは知ります。そしてその者に対して「主が油を注がれた方を、恐れもせず手にかけ、殺害するとは何事か」と従者に命じて撃ち殺しました。
哀悼の歌「弓」(要約)
麗しき者、勇士であるサウルが倒れた。ガドやアシュケロンなどのペリシテの国々に伝えるな。それを聞いた彼らが喜ぶことを想像すると、それはあまりにも屈辱だから。いけにえを献げたギルボアの山やサウルの素晴らしい盾など過去の栄光が胸に去来するが、今はそれらは過ぎ去り戦場の呪いと化してしまった。
ダビデが愛したサウルとヨナタンの勇ましい姿を思い出す。イスラエルの娘らは紅の衣や金の飾りを戦利品として与えてくれた王を思って思い存分泣け。わたしはヨナタンの死を悲しむ。女の愛にまさるヨナタンの友情を思い出す。二人の死はなんと無念であろうか。