テトスへの手紙1章 生活の中で生かされる信仰…信心

「私が使徒とされたのは、神に選ばれた人々が信仰に進み、敬虔にふさわしい、真理の知識を得るためで」テトス1:1

助産師永原のちょっと一言
この手紙はⅠテモテと前後して書かれたとのことで、ローマで未決囚として2年過ごした後、釈放されて、第4回目の伝道旅行の出先で書いたものとされています。釈放後クレテに立ち寄ったパウロは先を急いでいたようで、クレテの教会が十分に形成される前にテトスに委ねて旅立ったため、やり残した仕事についてテトスに手紙で指示したのです。テモテの手紙ⅠⅡ同様、牧会書簡と呼ばれています。
テトスは有能な青年でパウロの評価も高かったようです。クレテ島は道徳水準が低く伝道するには大変なところだったようです。そのようなところで伝道する牧師の条件として、幾つかのことを書き送ったのです。信心という言葉が出て来ますが、それは生活の中で生かされる信仰ということなのだそうです。それは牧師だけでなく、私たち信徒にとっても目指すべき姿です。神の言葉を託された者として、それにふさわしい生活を心がけなければならないと思います。私たちの大切な人へ神の言葉を伝えるために。

聖書要約
挨拶
私が神の僕、イエス・キリストの使徒とされたのは神に選ばれた人の信仰を助け、神の真理に導く為です。神の真理は信じる者の生活を変える力があり、永遠の命を与える力があります。それは世界が造られる前からの神の約束であり、最善の時を選んで、この良き知らせを明らかにされました。わたしはそのことを告げ知らせる役割を与えられたのです。信仰の子であるテトスへ、父なる神と、救い主なる主イエスから恵みと平安があるように。
クレテ島でのテトスの仕事
クレテ島にあなたを残してきたのは、町ごとに牧師(長老、監督)を任命するという大切な仕事をしてもらうためです。任命に当たっては正しい生活をおくっており、評判の良い人、一人の妻の夫であり、子どもも神を主とする信仰を持っており、反抗的であったり、乱暴でないこと。また高慢、短気、大酒のみ、けんか好き、金銭欲が強い、これらの人は資格はありません。客をもてなし、善意にあふれ、良識があり、きよらかな心の持ち主、強い信仰と自制力があることも大切な条件です。
実は人を惑わすような偽教師が大勢いるのです。ユダヤの掟を守らせようとする者たちです。またクレテ出身のある人は「クレテ人はみなうそつきで、悪いけだもの、怠け者で食いしん坊」と言いました。ですから彼らを甘やかさず、信仰が強まるように厳しく指導しなさい。真理に逆らう者の言い分には耳をかさないように。行いを見ればそのうそは一目瞭然です。そのような者に良いことをすることはできません。とパウロの言葉は手厳しいです。