士師記4章 「女預言者デボラ」

 「ラピドテの妻で女預言者のデボラが、そのころイスラエルをさばいていた。」士師記4:4

くぅ~ママのちょっと一言
聖書の中で女性の職業と名前が書かれているのは珍しいことです。出エジプトの助産婦シフラとプア、紫布商人のルディア、そしてこの女預言デボラとわずかです。そもそも聖書では人数を数える時には女性は含まれません。数にも入れないとは聖書は女性蔑視の考え方なのかと思いますが、本質的にはそうではないのです。創世記に女性と男性は向かい合う存在として対等な関係である事が明記されています。そしてしばしば女性は歴史を作るキーパーソンなのです。この章にも二人の女性が重要な役割を果たしています。女性は産む可能性のある性(多様な生き方は認められるにしても)ですから、戦ったり、肉体労働には不向きですので、男性に守られることは必要なことです。しかし決して男性に追従するのではなく、自らの判断と決断ができなければなりません。男性も決して女性は男性に劣るとか、女性を従わせようなどと思わないことです。夫婦で手を取り合い、助け合いながらこの時代に社会の最小単位の家庭を壊すことなく築き上げたいものです。

聖書要約
デボラとバラク

エフドの死後イスラエルの民はまたもや神の目に悪とされることを行いました。そこで神はカナン人の王ヤビンの手に彼らを渡され、20年の間その支配下に置かれたのです。イスラエルの民は神に苦痛の叫びを訴えました。神はそれに応えて女預言者デボラを士師として立ててくださいました。デボラはエフライムの山地のなつめやしの木の下で、裁きを求めてくる人々のため座していました。
さてデボラはナフタリからバラクを呼び寄せて、神がヤビンと戦うようにと言われていることを伝えました。バラクは「あなたが一緒に行ってくださるなら」とデボラの同行を求めました。そして神の言葉どおりナフタリとゼブルンの2部族による兵を編成し、900もの戦車を有するヤビン軍の長シセラと戦う為にケデシュに集結したのです。神はシセラの軍をバラクの前で混乱させられたので、バラク軍はシセラ軍を一人残らず討ち取ることができました。軍の長シセラは協定を結んでいたカナン人のへベルの妻ヤエルのテントに逃げ込み、匿ってもらおうとしましたが、ヤエルの手にかかって命を落とします。そのようなことがありイスラエルの民を支配していたヤビンを、逆にイスラエルの民が圧迫するようになり、ついにはヤビンを滅ぼすに至ったのでした。