サムエル記第一1章 「祈り」
「それから彼女は帰って食事をした。その顔は、もはや以前のようではなかった。」サムエル記第一1:18
くぅ~ママのちょっと一言
サムエル記はモーセ5書(創世記、出エジプト、レビ記、民数記、申命記)の後の、カナン征服、士師時代に続く王国時代について書かれています。サムエル記は上下に分かれていますが。上はサムエルと初代王のサウルそしてサウルと2代目王のダビデ、サウルの死について書かれており、下はダビデの治世について書かれています。
1章はサムエルの誕生について書かれています。子どもが授からないハンナの苦悩の祈りに神は応えてくださるのですが、見方を変えれば、神は苦悩の中で主を呼び求めるハンナにすでに祝福を備えてくださっていたのです。
確かに、祈り終わった後のハンナの表情は変わり、のどを通らなかった食事がとれるようになりました。神は祈りを聞いてくださるという確信が信仰の力なのだと思います。
「苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生む」(ローマ5:3)希望とは主の栄光に預かることなのです。
聖書要約
サムエルの誕生
エフライムの山地のラマに住むエルカナにはハンナとペニナの二人の妻がいました。ペニナには子どもがいましたが、ハンナには子どもがいませんでした。エルカナは毎年、神に礼拝を献げるためにシロに上る敬虔な人でした。いけにえを献げた後、エルカナはベニエの方には子どもたちにも贈り物をしましたが、ハンナの贈り物は一つだけでした。神はハンナに子どもをお授けにならなかったのです。ハンナを敵対視するペニナから子どもがないことをあれこれと意地悪く言われるので、ハンナは食事も喉に通らないほどでした。エルカナはハンナをだれよりも愛していると言ってくれますが、ハンナの心は悲しみでいっぱいでした。ハンナは神のみ前で「男の子を授けてくださるならその子を神にお献げします」と祈ったのでした。その様子を見ていた祭司エリは酒に酔っていると思って声をかけたのですが、ハンナはそうではないことを告げました。エリは「安心して帰りなさい。イスラエルの神が、あなたの願うことをかなえてくださるように」と答えたのでした。ハンナはその言葉に元気を取り戻し、表情も前のようではなく、食事もとるようになって、翌日ラマに帰っていきました。神はハンナの祈りを聞いてくださいました。ハンナは身ごもり、月が満ちて男の子を産みました。そしてその子をサムエル(その名は神)と名付けました。
ハンナ、サムエルをささげる
翌年も年毎のいけにえと、神が願いを聞いてくださったことの感謝の献げ物を携えてシロに上ろうとしましたが、ハンナの願いでハンナとサムエルは留まりました。そしてサムエルが乳離れした時に夫婦でサムエルを連れて献げ物を携えてシロに上り、祭司エリにわが子サムエルを託したのでした。