ヨブ記12章 「すべてを主が造られた」

「これらすべてのうちで、御手がこれをなしたことを知らない者があるだろうか。」ヨブ記12:9

くぅ~ママのちょっと一言
苦痛のうめきの祈りをしていたヨブが、とても雄弁に議論を展開します。神にすべての主権がある事は友人もヨブも一致した考えです。しかし友人はその主権を人間の知恵の範囲で捉えていますが、ヨブは苦悩の中で世の不条理を一身に受け、神がどのようにこの世を支配しておられるのか分からなくなってしまっていると言っているようです。だから分かりにくい文章が並び、論議が空回りしているように思えます。コヘレトの言葉の著者が「それでもなお神のなされる業を始めから終わりまで見極めることは許されない」と言っている通り、私たちには神のみ心は分からないのです。だから神の愛に信頼して、上を見上げてすべてのことを感謝して頂きたいと思うのです。

聖書要約
ヨブがツォファルに答えます。
「確かにあなたは何でも知っている。けれどそんな知識はあなたと一緒に滅んでしまうがいい。私もあなたが言ったことくらいのことは知っているし、だれだって知っている。かつては神の愛を一身に受けたこの私がいまでは友達の笑いの種になっている。人の不幸を笑って平気な者、人のものを取る人など、神を怒らせる人や神をも自分が支配しようとする者の方が安泰とは…神がすべての物をお造りになったことは獣でも鳥でも大地でも魚でも知っている。すべての命、人の霊もみ手の中にある。あなたが言うように私のような老人は知恵と分別がある。しかし本物の知恵と力は神だけのものなのだ。神の力で壊されたものを二度と建て直せない。神が雨を降らせなかったら砂漠になるし、嵐を送られると水害になる。欺く者も、欺かれる者も神の手の中にいることに変わりない。参議、裁判官、王、祭司、信仰者、長老、自由な人、強い者の権力を奪われる。国を興すのも、滅ぼされるのも神の業。王の分別も取り去り、道案内の明かりもないまま手探りで闇の中をさまよわせる。