ヘブル人への手紙1章 御子によって語られる

「この終わりの時には、御子にあって私たちに語られました。」ヘブル人への手紙1:2

助産師永原のちょっと一言
これまで、パウロが書いた手紙が続きましたが、このヘブライ人への手紙の著書はパウロ説を初め、バルナバ説、ルカ説、ピリポ説、プリスキラ説、アポロ説と諸説あり、定説はないようです。またどこに宛てた手紙かということも諸説あるようです。ヘブライ人と言うのはユダヤ人のことですので、ユダヤ人への手紙と言う事は確かでしょう。書かれた年代は1世紀末までとのことです。これまでの手紙の書き出しとは全く違います。原文では1節から4節は長い荘重な文章だそうです。本書全体のプロローグとして選び抜かれた言葉と内容とのことです。
救いの到来、御子の偉大さをかたることばで始まった1章。その偉大さは天使に比べるもないほどであると語ります。ユダヤ人の天使礼拝の誤りの指摘でもあるようです。イエスキリスト理解はキリスト教理解であり、信仰の本質に関わることです。すなわち、イエスは生ける神の子であり、わたし達を罪から救ってくださり、神との和解を成し遂げてくださり、永遠の命を得させてくださった救い主であるという告白をし続けることがクリスチャンなのですから。天使と同格になどできないのです。のです。
御子は天使にまさるということは旧約聖書の7箇所を引用して説明します。
①詩篇2:7にはあなたはわたしの子、わたしは今日、あなたを産んだ。
②Ⅱサムエル7:14わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。
③(若干の疑問が残るのだそうですが)申命記32:43神の天使はたちは皆、彼を礼拝せよ。
④詩篇104:4神はその天使たちを風とし、ご自分に仕える者をたちを燃える炎とする。(御子の卓越性には及ばない)
⑤詩篇45:67神よあなたの玉座は永遠に続き、公正のしゃくが御国のしゃくである。(神の支配は永遠に続き、いつも公平で正しい)
⑥詩篇102:25「主よ、あなたは初めに大地の基を据えた。もろもろの天は、あなたの手の業でえある。
⑦詩篇110わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまで、わたしの右に座っていなさい。と神が言われたのです。

聖書要約

神の御子によって語られた
かつて神のご計画は預言者を通して幻や夢など色々な方法で知らされましたが、今の時代は御子(イエスキリスト)を通して語られています。その御子は①万物の相続者②万物の創造者③神の栄光の輝き④神の本質の完全な現れ⑤力あるみ言葉⑥罪の清め⑦大いなる方の右の座につかれた方です。(右とは権威を示す)御子は天使より優れているのです。
神はいったいどの天使に向かって、「あなたはわたしの子、わたしは今日、あなたを産んだ」と言われ、また「わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。」と言ったでしょう。神は「天使たちは皆、彼を礼拝せよ」と言われました。神は天使たちを「風のように早い使者。燃える炎のような力を持つしもべ」と紹介しています。しかし神の子については違います。「神よ、あなたの玉座は永遠に続き、公正のしゃくが御国のしゃくである。(神の支配は永遠に続き、いつも公平で正しい)。主よ、あなたは初めに大地の基を据えた。もろもろの天は、あなたの手の業でえある。わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまで、わたしの右に座っていなさい。」と言われました。天使は神に奉仕する者であり、御子とは根本的に立場が違うのです。