創世記38章 タマルの懐妊

「こうしてタマルはユダのために子を宿した。」創世記38:18

助産師永原のちょっと一言
ヨセフ物語が始まったばかりですが、挿入のようにこの出来事が聖書に記されています。この事はここに入れられる必要があったのです。この話の主人公のユダは後の「ユダ王国」を建てるユダ族の祖先となります。そしてタマルとの間に与えられたペレツの子孫にダビデ王、そしてイエスキリストが誕生されます。(イエスキリストの系図参照)ダビデ王、ソロモン王の後、国は「ユダ王国」と「イスラエル王国」に分裂します。その「イスラエル王国」を構成するのがヨセフを祖とするエフライム族とマナセ族になるのです。
ヨセフを祖とする「イスラエル王国」とユダを祖とする「ユダ王国」そしてタマルが産んだペレツの子孫が、後の聖書の歴史をつくっていくわけです。
 しかしながら、このような事情で生まれた子どもペレツがイエスキリストの系図にいれられているということは不可解に思われますが、これは神の大きな愛のご計画だったのです。それはイエスが人間の罪の只中に降誕され、その人間の罪の赦しのために十字架に架かれ、そのことによって、人間の罪の歴史にピリオドが打たれ、新しい世界である福音が私たちに与えられたのですから。

聖書要約
ユダとタマル
ユダ(ヨセフを殺さずに隊商に売ろうと提案したヨセフの兄)は兄弟と離れてアドラムで暮らすようになりました。ユダは3人の息子が与えられます。長男のエルはカナンの女性タマルと結婚しますが、主の意に反して不慮の死を遂げます。当時の慣習である兄弟の義務として、弟が兄の亡き後、兄の妻と結婚して子孫を残すことになっていたのですが、次男のオナンはタマルに与えられる子供を自分の子孫とすることができないのを不服に思って、精子を地に流して妊娠しないようにしました。それも主の意に反することでしたので、兄と同様に死を遂げます。義父ユダはタマルに末の弟が成人するまで実家に帰っているように言います。
それからかなりの年月が経って、ユダの妻が亡くなります。ユダは喪があけたときに、羊の毛を刈る祝いの催しに出かけます。一方タマルは末の弟、シェラが成人したのに妻に迎えてもらえないことを知って、娼婦に成りすまして義父のユダが来る道で座って待っていました。ユダはタマルの計略どおりタマルを娼婦と思って、タマルと関係を持ちます。関係を持つ代償として子山羊を送る約束をしたのですが、その証拠として、自分の印章と杖を渡しました。その後、ユダは子羊を渡して印章と杖を戻してもらおうと娼婦を探しますが、そのあたりには娼婦はいないとのこと。結局印章と杖はその女に与えようと、ユダは自分勝手に納得したのです。それから3ヶ月ほど経って、タマルは身ごもったということが、義父ユダの耳に入ります。やもめであるタマルが妊娠したということは姦淫罪となります。それを聞いた義父ユダは、怒って処刑してしまえというのですが、タマルの持っていた印象と杖を見て、ユダはタマルの正当性を認めるのでした。
タマルのお腹には双子がいました。出産の時を迎え、先に出た子に赤い糸を結び付けたのに、その子は引っ込んでしまってもう一人の子が先に出てきました。そこで先に出た子をペレツ(出し抜き)赤い糸を結んだ子をゼラ(真っ赤)と名付けました。