士師記19章 神なき世界の残虐さ
「イスラエルに王がいなかった時代のこと、…」士師記19:1
くぅ~ママのちょっと一言
この章には、創世記のロトの話の中に同じようなシーンが出てきます。ロトの客は御使いでしたので、ならず者の目をくらませることができました。しかしここでは、大変悲惨な結末となります。「王がいなかった頃」と言う言葉に象徴されるように、神からはなれ、人々が思い思いに暮らすことの恐ろしさを物語っています。レビ人はわざわざ異邦人の地ではなく、同じイスラエルの民であるベニヤミンの領土で泊まることにしたにも関わらず、宿を提供してくれる者はなく、そこに滞在している老人の所に泊まることになりました。そこにならず者が来たのです。男色がはびこり、弱い者への虐待が平気で行われる有様は耳を覆いたくなります。神なき世界で無秩序に思い思いに生きるのではなく、神さまの愛の中で平和に生きたいと思います。
聖書要約
ベニヤミン族の犯行
イスラエルに王がいなかったころの話です。エフライムの山地にレビ人が住んでいました。ベツレヘムから側女を迎えたのですが、その側女が腹を立てて実家に帰ってしまったのです。4ヶ月経ったときにレビ人は従者と共に側女を迎えに実家を訪ねました。義父も歓迎してくれて、心もうちとけ、勧められるままに4日間も滞在したのです。5日目も引き止められたのですが、夕方、ようやく出発しました。途中で日が暮れたので、従者がエブスの町で泊まるように勧めたのですが、レビ人はエブスは異邦人の町なので、ベニヤミンの領土のギブアに泊まることにしました。しかしだれも泊めてくれません。広場で腰を下ろしていると、畑仕事を終えたギブアに滞在している老人がやってきて、家に連れて行ってくれました。しかしその夜町のならず者がやってきて男を出せといいます。その男を知りたいからと。しかし老人は自分の娘と男の人の側女を差し出すので男には非道な振る舞いをしてはならないと言いました。レビ人は自分の側女を差し出しました。彼女は一晩中はもてあそばれて、明け方、老人の家の前で息絶えていたのです。レビ人はろばに乗せて連れ帰って、その遺体を12に切り分け、12部族に送りました。それを見た人々はベニヤミンの野蛮な行動に騒然としこんな非道を見過ごす事はできないと言いました。