列王記第二1章 「神の人エリヤ」


「隊長がエリヤのところに上って行くと、そのとき、エリヤは山の頂に座っていた。」列王記第二1:9

第2列王記が始まります。国のかげりを感じさせる書き出しです。その言葉通り、第2列王記には北王国イスラエルと南王国ユダの滅亡までの250年の出来事が書かれています。イスラエルはBC722年にアッシリアに、ユダはBC587年にバビロンに滅ぼされます。しかし神の哀れみで後にユダは国を再建することができます。
滅亡に至るまでに、神は何度も預言者を通して民と王の回心を求められましたが、神の言葉を謙虚に聞くことが出来ませんでした。そのような記述の中で神の言葉を命をかけて伝えた預言者の働きに心が揺さぶられます。

神の言葉に忠実に歩んだものは、たとえこの世では報いの少なくとも、天では大いなる報いがあるに違いありません。それは現代にも言えることだと思います。

聖書要約
エリヤとイスラエルの王アハズヤ
アハブ王が死ぬと、モアブが独立を宣言して、イスラエルに貢物を納めないと言い出しました。
さてイスラエルの新しい王のアハズヤは宮殿の屋上の欄干から落ちて怪我をしてしまいました。王はこの怪我が治るかどうかエクロンにあるバアルゼブルの預言者に尋ねようと使者を送りました。使者が出かける前に神の言葉を託されたエリヤがやってきて「王はなぜバルゼブルに伺うのか。イスラエルに神はおられないというのか。こんなことをするからには王は床を上げることはなく死ぬ」と預言したのです。
使者は王にこの言葉を伝えました。王はその男が毛衣を来て腰に皮ひもを締めていたということを聞いてエリヤだと分かりました。50人隊長とその部下50人が遣わされ、エリヤに「王の所に来るように」と言いますが、「もし私が神の人なら天から火が降ってきてあなた方を焼きつすく」とエリヤが言うと、火が降ってきて隊長とその部下達は焼く尽くされてしまいました。次の50人隊長も王の所に来るように言いましたが、前と同様に焼き尽くされてしまいました。次に使わされた50人隊長はエリヤに頼みました。「私たちの命を助けてください」と。そこで神の言葉が臨んだので、エリヤは隊長と共に王の所に出かけ、直接神の言葉を預言しました。王はエリヤが告げた通り死に、弟ヨラムが王位につきました。それはユダの国ではヨシャパテの死後ヨラムが王となって2年目の事でした。